入管法 2019 1 5

書名 知っておきたい入管法
著者 浅川 晃広  平凡社新書

「外国人政策が21世紀の国づくりか」
 そういう時代になってしまったのでしょうか。
確かに、少子化によって、人口減少の前に、
労働力の減少が先にやってくるでしょう。
 そうなると、労働力の不足を補うために、
外国人の労働力が必要となるかもしれません。
 しかし、これは、外国人労働者の安い賃金によって、
日本人労働者の賃金が低下する可能性があります。
 そのうえ、優秀な外国人が多数やってくれば、
日本人の就業のチャンスが減るかもしれません。
 現に、日本にやってきた時は、
財布の中に5,000円しかなかったのに、
今や資産家になった中国人に対するインタビュー記事を読みました。
その他にも裸一貫でやってきた人の成功談を聞いたことがあります。
 このような人たちは、年中無休で猛烈に働くので、
資産家になるのは、早いかもしれません。
 さて、前置きが長くなりました。
「出入国管理及び難民認定法」(入管法)は、
意外にも難関な法律かもしれません。
 なぜなら、入管法を読む前に、
国籍法を理解している必要があるからです。
 入管法では、外国人の定義について、
「日本の国籍を有しない者」(第2条)となっています。
 なんだか、禅問答のようになっていますが、
そうなると、日本国籍を有する者が日本人であり、
それ以外は、外国人となります。
 ところで、そもそも、いつ、どうやって日本人になるのか。
日本の国土で生まれたからか。
両親が日本人だからか。
 実は、国土という要件はありません。
たとえ、アメリカ人夫婦が東京で子供を出産しても、
その子には、日本国籍は与えられません。
 次に、両親が日本人である必要はありません。
どちらか片方が日本人であれば、日本国籍を取得します。
普通は、両親とも日本人であるのが多数でしょう。
 そうすると、日本人夫婦がアメリカで子供を出産すると、どうなるか。
日本人夫婦の子であるので、当然、日本国籍を取得します。
同時に、アメリカ国籍も取得します。
 アメリカは、移民の国と言われることがありますが、
アメリカで生まれると、アメリカ国籍を取得することになります。
つまり、二重国籍となります。
 もちろん、日本は、原則として二重国籍を認めていませんので、
国籍留保の届出をして、一定期間、二重国籍を認めてもらう必要があります。
(詳細は、法務省のホームページの「国籍Q&A」で確認してください。
上記の文章は、入管法の話を書くために急いで「国籍Q&A」を読んだので、
正確性を欠く場合があります)
(外国人が日本人になる方法として帰化という制度があります)
 なんだか、国籍の話になってしまいましたので、
入管法に戻りましょう。
 肝心なことを書きます。
外国人の入国をどうするか。
実は、3つの選択肢があります。
鎖国。
完全開国。
出入国管理。
 最初の「鎖国」とは、外国人の入国を一切認めないということです。
海で囲まれた日本では、鎖国が可能かもしれません。
 次に、「完全開国」とは、国境を廃止して、
外国人が自由に入国して、自由に滞在できるようになります。
これでは、もはや日本人や外国人という概念は消えてしまうでしょう。
 そうすると、鎖国も完全開国も政策として採用できないとなると、
「出入国管理」となるでしょう。
 つまり、どういう外国人の入国を認めて、
どういう外国人の滞在(在留)を認めるかは、
政府の根本的な政策によるでしょう。
ここから、出入国管理は、国づくりにつながるのです。
 そうなると、入管法は難しい法律だから、
「俺には関係ない」と言っていられなくなるのです。
なるべく、多くの国民が、この本を読んで「国づくり」を考えてほしいのです。
 気が付けば、この街は、外国人の住民が多数派になってしまった。
そうなる前に、将来の日本の「国づくり」を考えてほしいのです。
外国人を含む「国づくり」は、国会で議論するだけでは足りません。
国民一人一人が議論する問題です。







































































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